
人材採用の動向
小松 勝
- ・人材採用の動向
- 日本経済は製造業を中心に輸出、設備投資が好調を維持し、雇用環境も好転し始め、穏やかな景気回復が続いている。数多くの経済指標の改善は、バブル崩壊後の設備、雇用、債務という「3つの過剰」解消のためのリストラが日本経済全体でもほぼ一巡し、多くの企業が「攻めの経営」に転じ始めたことを示している。したがって、各企業の人材採用戦略が最近大きく変化している点に注目しなければならない。
- ・人員不足感が強まる好調企業
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採用に関した各種調査でも景気回復に加え、2007年から大量退職が始まる団塊世代の補充を目的に、大企業・中堅企業のみならず、業績好調な中小企業でも中途採用、新卒採用に積極的になっていることが浮き彫りになってきている。人材採用積極派の牽引役は製造業だが、それ以外にも流通・サービス業や金融まで、幅広い分野で採用を増やす動きが目立つだけに、早くも全国各地で「攻めの経営」に転じる上で必要な優秀な人材の争奪戦が始まっている。
新卒採用に関しては、バブル崩壊後、長い間続いてきた企業側の「買い手市場」の流れは2006年春の新卒採用で転機を迎え、2007年春の採用では逆に学生側の「売り手市場」の様相が強まり、その流れは2008年春の採用でさらに勢いを増す気配になっている。最近の日本経済新聞社の「採用・賃金に関する緊急調査」でも「来年の採用を増やす」企業は28%と回答し、人材争奪戦が激しくなる中、12%の企業が大卒初任給の引き上げを検討している(2007年2月8日日経本誌)。
一方、中途採用市場も熱気をを帯び始めている。主要企業では年間を通じた「通年採用」も増えているほか、採用活動に関する新サービスが続々と誕生し、転職支援市場が急速に拡大して、いよいよ優秀な人材を巡っての人材獲得戦略が問われる時代を迎えている。