残業問題への対応策
高橋秀爾
労働時間規制を除外するホワイトカラー・エグゼンプションの法制化が見送られたが、それとセットで検討されていた一定時間以上の残業について、割増率を欧米並みに50%以上へ引き上げる法案の先行実施の動きが強まっており、今後の労働時間法制の動向が注目される。
中小企業では残業による人件費コストの増大で、経営を圧迫している例は多い。残業対象者の月収が、適用除外の管理職の月収を上回る逆転現象もよくみられる。恒常的な長時間残業は、社員の労働意欲や健康に悪影響を与えかねない。このような残業時間管理を野放しにするといろいろなところに問題が波及し経営のバランスを崩すことになる。
残業を減らし、人件費コストを削減する対策は、時間を効率的に使い、時間管理を徹底する意識を社内に定着させることが必要であるが、次のような人事制度導入が有効なケースがある。
- (1)変形労働時間の導入
- 業務の繁閑や季節性がある場合に有効である。
- (2)みなし労働時間の導入
- 営業などのように社外勤務が常態化していて、時間管理が実質的にできない場合、導入が可能である。
- (3)裁量労働制の導入
- 性質上、業務の遂行を社員の裁量に任せる必要がある場合に導入が可能で、専門業務型と企画業務型がある。
- (4)年次有給休暇の計画的付与
- ばらばらな年次取得では残業を増加させるため、労使で合意した日数を計画的に付与する方法である。
- (5)休日振替の徹底
- 休日勤務には休日振替を徹底させ休日残業を減らす。
- (6)固定残業代を含んだ賃金制度の導入
- 社員の同意が必要であるが、基本給に固定残業代を含んだ制度にして、残業コストを削減した例もある。
幾つかの例を述べたが、自社にあった制度の導入を是非検討してみてはいかがでしょうか。
